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子どもの性格 授乳・離乳


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生後の1年間の母子関係

● 授乳・離乳の方法は性格に影響するか


 赤ちゃんにたいする母親のもっとも大きな仕事は、いうまでもなくお乳を与えることです。お母さんによって、このお乳の与え方にも個人差があり、また民族による差もあるので、赤ちゃんが生後のほぼ1年間に経験する授乳や離乳のしかたが、性格の発達にも影響するのではないかと考えられました。

 たとえば、「精神分析学派」とよばれる学者たちは、母乳で育てられた子どもは人工栄養児よりも、食欲不振をうったえたり、夜尿をしたりなどの神経質な傾向をしめすことは少ないだろうと考えました。

 また、なるべく長期間母乳を与え、離乳はゆっくりと行い、赤ちゃんがお乳をほしくなれば時間に構わずお乳を飲ませ、排尿・排便のしつけは自分で知らせるようになるまで待つほうが、おだやかで安定した性格がつくられるだろうとも考えました。

 この考え方は、いろいろな角度から検討されました。ところが、はっきりした関係は発見できなかったのです。つまり、お乳の種類や与え方、離乳の方法は、大きくなってからの性格の発達に、とくに差をもたらすとはいえないという結論なのです。
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 しかし、赤ちゃんはまったく母親に依存している存在である以上、母親の行為・行動が心の発達に無関係とは思えません。とすれば、このような研究結果をどう考えたらよいのでしょう。

● 育児行動は多少でも、総合的な態度がよければ

 この研究では、母乳か人工栄養か、時間決め授乳か赤ちゃんのほしがるときの授乳か、というような条件の違いだけを問題にしています。そして、これらの条件の奥にある、子どもにたいする母親の心の持ち方というものが考慮されていないのです。

 ですから、この“全体としての態度”が良好であれば、一つ二つの育児行動に多少の問題はあっても、それはじゅうぶんにおぎなわれてしまうのです。

 具体的にいえば、母乳がじゅうぶんに出ない体質の母親がいます。その母親はやむを得ず人工栄養で赤ちゃんを育てることになりますが、赤ちゃんにたいする愛情に欠けるところがなければ、それはそれでいっこうに差し支えありません。

 むしろ問題になるのは、母乳で育てるのは時代遅れだとか、美容に悪いといって自分の乳房を赤ちゃんに含ませないで済まそうとするような、母親の態度なのです。

● 母としても役割が身につかない親のばあい

 子どもを生み、育てるということは大変な仕事に違いありません。しかし、生む以上はそれを覚悟せねばなりません。積極的に”育てよう”としなければ、いつになっても母親としての感情は湧きあがってきませんし、母親としての役割も身につかないものです。

 こんな母親の、子どもにたいする態度は不安定です。ネコかわいがりにかわいがる日もあれば、泣いていてもうるさいといってかまわないこともあります。そんなわがまま勝手な自分の姿が、赤ちゃんにどんな影響を与えているのかを考えてみようともしません。

 しかし、赤ちゃんはやがて幼児になり、児童になり、青年になります。恐ろしいのは、このような母親の態度がそのまま固定化し、引き続いていく場合、その子がどんな形で成長していくかということです。

● 母親の態度の違いと性格形成

 たとえば、はじめての子ども、やっとできた子ども、上の子がなくなったあとに生まれた子どもは、たいてい過保護になりがちです。

 また、神経質で口うるさい母親や、育児以外にこれといった用がなくてかまい過ぎる母親と、のんきなたちで子どもを構わない母親や、忙しすぎて子どもの世話も思うに任せない母親とでは、生後1年未満の“物ごころつかない赤ちゃん”であっても性格形成に微妙な作用をおよぼしているのです。

● 生後1年間の経験がのちの発達を左右する

 生後間もない人間の赤ちゃんを、いっぽうはせまく単調な場所で、他方を刺激の豊かな環境で育ててみて、双方の発達上の特徴を比べてみるような実験は許されません。
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 しかし、乳児院・孤児院などで母親からはなされて育てられた子どもたちの発達ぶりはふつうの子どもより悪く、知的な面・情緒的な面の発育の遅れが目立つといわれます。

 これはホスピタリズムとか施設病とか言われる現象です。衣食住はたとえじゅうぶんであっても、母親がわりの人との接触が少なく、親愛感にあふれた人間関係がなかなかできないことや、施設の環境は家庭に比べて単調で刺激にとぼしいことなどから、子どもたちの知的・情緒的発達がさまたげられるのではないかと考えられるわけです。

 そこで、乳児院では部屋の調度を色彩豊かなものにし、世話する人を増やし、服装にも変化をつけることが、ホスピタリズムを予防するのに必要であるとされるようになりました。

 生後の1年という期間は、たしかに自然の成熟が大きな要因であることは否定できません。しかし、赤ちゃんの環境をできるだけ豊かに整え、まわりからもやさしく働きかけてやることが、のちのちの発達のために大切であるということも忘れてはなりません。

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 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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