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家庭での教育 子どもへの金銭教育

お金の役割

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 昔の人は、他人の子どもにおかねをあげることをつつしみました。あれこれ考えて、お土産を買ったりしたものでした。それがその子の気に入らない結果となっても、苦心してそれを選んだ誠意といったものを、贈る側も贈られる側も大事にしていたわけです。

 金銭教育はおりにふれて

 でも最近は、お土産がわりにおかねをあげても、ヘンではなくなりました。その子の本当にほしいもの、好きなものを自分で買ってもらったほうが、こちらの気持も通じるのだと考えるようになったからです。

 また、子どもたちは、あちらこちらからお年玉もいただきます。こんな具合で、最近の子どもは、お金持ちです。おかねにふれる機会も、グーンと増えました。

● 生活にはおかねが必要なことから教える

 しかし、計算もうまくできないで、おかねを上手に使えるのでしょうか。“100円玉が一つあります。1個30円のあめを3つ買えば、おつりはいくらか?”というのが算数の問題なら、これは1年生でも無理です。しかし、こんな計算が性格にできなければ、金銭教育はできないと言ったものではありません。
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 金銭教育の第一歩は、ほしいものがあって、それを手に入れるためには金銭が必要なのだ、ということを知ることから始まります。黙って、お店の品物を持ってきてはいけない─お金で買うのだということ。

 そして、おかねを得るためには働かなければならないし、また、おかねを手に入れるために、なにかを売る人もいるということを知るのが金銭教育のはじまりです。ここからまた、社会のしくみを知る手がかりも芽生えます。
 
 戦前、一般庶民の生活とまったく切り離されていた階級の人の中には、おかねの働きを知らない人もいたという話があります。しかし、お母さんと一緒に毎日買い物に行く子どもは、おかねは生活に必要なのだという事実をちゃんと見ています。

 すじ道だった知識ではなくても、子どもなりの生活の実感として、おかねの役割を知っているのです。

● “買う”ほかに“売る”立場もある

 買い物がてらに、ちょっと話してみてください。ほしいものはおかねを出して“買う”ということは、すぐわかるでしょう。しかし、みんながほしがっているものをおかねと引き換えに、“売る”─つまり人手に渡す─という立場は、おそらく理解できないかもしれません。

 売る立場が非常に強く印象付けられる「大売り出し」とか「特売日」とか、店によっても売り方が違うとか、興味を持ちだしたらどんどん質問をするものです。こういった機会をとらえて、うるということの説明もしてやりたいものです。

 売るたちの場の人も、売ることによっておかねを手に入れ、そのおかねでその人のほしいものを買っているわけです。またさらに、売るものを“つくる”立場の人もいます。この人々は、つくった物を売って、おかねを手に入れているのです。

● 興味を持ちだしたら教えてやる

 社会化の勉強は学校に入ってからというのではなく、ちょっとしたお母さんの刺激によって、のちのちその子の成長につながっていく大切な勉強方法を、幼児でも身につけることができます。

 こういう知識は、6歳だから教えなければならないとか、3歳だから早すぎると言ったものではありません。興味を持ったら話してあげるべきです。そうすると、大きな店と小さな店、お客さんがたくさん来る店、来ない店、店によって売るものが違う…など、いろいろな“違い”に気づいて興味を持つのです。

 そういった考え方を身につけておくこと自体に、教育的な意味があるのです。お金のことについては、その子どもが生活の中で興味を持てば、その子に分かる程度に、具体的に教えてあげるべきです。

● 3歳ぐらいをおおよその目安に

 ふつうのばあい、だいたい3歳ぐらいになれば、おかねのことを知るようになるので、買い物に行ったり、お年玉をもらったりしたら、その機会に話してあげたいものです。「これはチューリップの花よ」「これはカエルよ」といったことを教えるのと同じように、自然に気楽な態度で。

 金銭教育は知識ではない

 おかねの意味や役割を知識として教えることだけが、金銭教育ではありません。知識以外にも、さまざまな広がりを持っています。むしろ、その広がりこそ大切なのです。
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● 感覚や情操にもつながる

 「あれほしいなあ」ということの底には、あれは”きれいだなあ”“面白そうだなあ”“役に立ちそうだなあ”という「感覚」や「情操」があります。そして、その子どもの感覚や情操にうったえたものを手に入れるためには、おかねが必要なのだということです。

 お店のないごくへんぴな山村の子どもたちを都会に連れてきたところが、ショーウインドーの品物をのぞいた子どもは「きれいだなあ」というだけで「ほしいなあ」「買いたいなあ」とは、ついに言わなかったそうです。

 その子たちにとっては、そのものはきれいな自然物同様で、自分自身のものにする手段を知らなかったのです。しかし、そのような感覚や情操が、本当に価値あるものに向けられているかどうかも、同時に問題です。

● 欲の深いのは、子どもの本性

 “あれがほしい”“もっといいのがほしい”“のどから手が出るほどほしい”というのが、じつはいちばん子どもらしい本物の感覚なのです。そんの本性を一応心得ていないと、いかにきちんとした金銭教育をやってみても、ただの記憶のための知識にすぎなくなってしまいます。

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 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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