子供の情緒 人生への懐疑

子供の性格と情緒:人生への懐疑
子供の懐疑心をどのように理解したらよいか
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子供 これなあに なぜ



 第一反抗期

 子供が青年期に入る前には、2回の重大な混乱期を通る。その一つが幼児期の懐疑であり、もう一つが青年期の懐疑である。

 幼児期に入ったばかりの3歳児は今までの「これなあに」という問いを、「なぜ」という形に変えはじめる。これが第一反抗期である。

 なぜ、どうして、だれ、と質問を連発するのは、幼児が外の世界(客観的な世界)と、内の世界(主観的な世界)とを、なんとか統一したいという欲求があるからである。
 
 「母親はこう言うが、自分はそうは思わない」「前はこうだと教えられたが、今度は違うように教えてくれた」というように、自我に目覚め始めた子供は、自分を通して外の世界をつかみなおそうとする。

 青年期の懐疑

 青年期の懐疑もこれと同じ心の動きである。小学校で身につけた合理的な物の考え方、社会性、道徳意識が性的な成熟や、美や愛への目覚め、個性的な趣向などによって内面から壊されはじめる。

 そして、「この世の中は、本当に真面目に努力する者が幸福になれるのだろうか」などと、社会に対する限りない疑いを持ちはじめる。

 二つの懐疑の違い

 幼児から児童期にかけての懐疑は、満足感、自信、成長への期待、充実感など、プラスの感情にあふれている。

 青年期の懐疑は、無力感、不合理感、自信の喪失、空虚感、不安などマイナスの感情に支配されやすい。自分の存在価値、人間性への信頼感、社会の倫理性などが、青年の懐疑の対象になる。

 二律背反の考え方

 青年の疑い方を探ってみると、「これこれだからAもダメ。かといって、これこれだから非Aもダメ」というように、どちらも両立しない(二律背反)考え方をとる。

 例
 父親のすすめる仕事は、これこれの理由で嫌だ。かといって進学するのには、これこれの条件がそろわないから駄目だ。

 このように、Aもダメ非Aもダメ。だから自分はどうにもならないという論理になる。

 この考え方から人生を味気ないものと感じ、生きる希望を失い、人間が信じられないなどの懐疑にまで深まっていく。

 妥協ができない

 青年期は妥協して中間的立場に立ったり、損得の両面を比較計算したりすることなどは苦手で、考え方や行動に柔軟性がない。
 
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 よくいわれることだが「all or nothing」(全てか、無か)である。善は善、悪は悪と決め付けなければ気がすまない。

 批判する心が強い

 両親や教師の非民主的な態度、政治家の汚職、不正などに対して持つ青年の批判は非常に厳しい。

 入学や就職を、情実、コネが左右することを知ると、青年は社会全体の仕組みを激しく非難する。そして、「もう大人の社会は信用しない。信じられるのは自分ひとりだ」という結論を下す。

 どちらも、子供の正常な成長過程として大切に扱い、見守ってやらなければならない。

 無批判から出る批判

 社会を激しく批判する青年を問い詰めていくと、自分自身への無批判を前提としていることが多い。

 たとえば、「絶対というものは、絶対にない」から、「自分が社会人になったとき、やはり情実やコネを認めるようになるかもしれない」などということもある。

 自分のことを棚にあげて、社会を攻撃する青年の言葉は、第三者からみればユーモラスに無批判を告白していることにもなる。

 大切に見守ってやる

 幼児期から学童期にかけての懐疑を外と内の世界を心の中で統一したい欲求の表れとすれば、青年期の懐疑は、外と内の世界の分裂からおこるといえる。

 人間信頼の気持ちを育てる

 青年期の懐疑はとどまるところを知らずに深まっていく。ことに、自分自身への内容を欠くと、「全てが信用できるものか。考え出したらきりがない。無駄な考えをやめて、やりたい事だけをやるのだ」という、せつな的な享楽主義に落ち込んでいく。

 したがって、どこかに止め金が必要である。この場合の止め金は、人間の心の底にある人間信頼の感情を家庭の中で育ててやることにほかならない。

 子供の理論を理論で受けとめる

 青年の懐疑する姿に、親がしどろもどろになっては、子供の懐疑そのものが育たない。それではかえって、暗いニヒル(虚無的)な行動におちいってしまう。

 介護の内容をくみ取り、子供の心の内面に暖かい理解を注いでほしい。

 そして、青年の理論を親のほうでも理論で受けとめてやることが必要である。「森はない。あるのは木だけだ」という屁理屈に「木もない。あるのは枝、幹、葉だけじゃないか」と、ユーモラスに答えてやるくらいの心の余裕が望まれる。


 
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