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家庭 教育

家庭の機能

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 歴史的にみると、家庭のもつ機能はだんだんと縮小されてきました。古い時代には家庭は一つの生産の場で、家長とよばれる人を中心に、家族全体で特定のものをつくっていました。

 いまでも姓のなかに残っていますが、たとえば服部という家では、家族全体で糸を紡いだり、はたを織ったりしていました。弓削(ゆげ)という家ではみんなで弓をつくっていました。

 また、日用品もほとんど自分の家で作っていました。米、麦、野菜、みそ、しょうゆのような食料品をはじめ衣類も作りましたし、豆腐や油も作っていました。家庭は家族に必要なものを供給する一面、一人ひとりの成員を強くこれに縛り付けていたのです。

● 家庭の特色は変わりつつある

 教育もつい近年まで家庭のなかで行なわれていました。身分制度が安定したので、お百姓の子はお百姓らしく、商家の子は商家の子らしく、一種の職業教育も家のなかでなされていたのです。
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 さらに武士の家では、初等教育もここでなされ、父親が威儀を正して座り、子どもに論語などの古典の素読をさせました。また格式のある家には○○家の家訓というようなものがあって、そのなかには主君にたいする態度、人にものを頼むときの心得、気の毒な人にたいする態度などいろいろのことが、一定の道徳観のもとが説かれていました。

 ところが、近代の市民生活になると、家庭のもつ機能は非常に変化し、生産単位としての家族の意味は少なくなって、職場と家庭がはっきりと分離することが多くなりました。

 家族が顔をそろえるのは朝と夜だけで、昼間はばらばらの行動をするのがふつうになりました。食事にしても洗濯にしても、お金さえあれば、容易に家庭外のところで充足されるようになったのです。
 
 また、教育機能も学校制度が整備して、家庭の外で専門化により系統的になされるようになり、生産をする場所としての家庭、教育のすべてを行なっていた家庭の特色がしだいしだいに変わってきたのです。

<家庭内の行動の特色>

 
 それでも家庭内における人の行動は、なおいくつかの点で家庭以外の場所における行動とは違っています。

 家庭の外でいろいろのことができるようになったのが現代の傾向ですが、家庭のなかでしか求められないもの、家庭のなかでとくによく見られる行動があります。

● 休息を求める場所

 その第一は、家庭は生活の緊張を解消するための、休息を求める場所であるということです。こんにちでは、父親たちの職場の多くは非常に合理化されていますが、また同時に多大な緊張を要求される場所でもあります。

 1日働いて、身体的にも精神的にも疲れた親が、帰宅してまず求めるものは、くつろいだ気分になるということです。機械化された仕事、単調な仕事、緻密な頭のいる仕事から解放されて、ほっとした気分になりたいのです。

 父親が夕食後のひとときや休みの日に、子どもたちと一緒に歌を歌ったり、相撲を取ったりするのは高度に緊張した精神を休め、気分の転換をはかるという意味があります。

 現在の家庭は、父親が働いて得た報酬を消費する場所、休養の場所というような意味があるのです。

 したがって、家庭のなかでは外とまったく反対の行動がみられることがあります。たとえば、外では気むずかしいといわれている人が、うちではニコニコとしていることもあれば、外ではおだやかで腰が低いという定評のある人が、うちではわずかなことでかんしゃくをおこしたりすることもあります。

 外で満たされないものを家庭に求める、このような補償的な傾向のみられるのは、なにもおとなばかりではありません。内弁慶といって学校では気が弱く、友達に圧迫されている子どもが、うちに帰ると、妹や弟に威張っているということもあります。

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● 気ままにふるまえる場所

 家庭というところは、だれにとってもいちばん気ままにふるまえるところなのです。外部の社会でおさえられているものが発散されやすいところなのです。家庭内行動の第二の特色はこの点にあります。

 つまり、怒り、喜び、悲しさという感情を気兼ねなしにあらわすことができるのです。他人にたいする警戒心とか気取った態度を捨て、ありのままの気持ちを表現することができます。屈託のない解放感は、外ではなかなかかなえられないものです。

● 人間関係は親密な反面、こじれると深刻になる


 第三の特色を次あげます。家族相互の接触というのは、それ以外の人間関係では容易に見られないほど親密であるということです。それだけに面倒な説明や弁解なしに、おたがいの意志や感情を理解しあうことができます。
 
 このことは、しかし、一度お互いのあいだがまずくなると、その根本的解決が非常に難しいということをしめしています。つまり、わずかな思い違いとか、話し合えばわかるというような誤解ではなく、また家庭を解体して別れ別れになるというのも、じっさいにはなかなかできないので、いちどゴタゴタが生ずると家庭は暗いものになります。

 ふつう家庭のなかのことは、外部に解決を求めようとしないで、内部だけで処理しようとします。それだけにしこりがいつまでも残りやすく、すっきりとしない慢性の不和感が続きます。

 こうした状態が、そこで成長しつつある子どもにいい影響をもつとは考えられません。

 家族というのも一つの集団です。しかし、うまくいっているばあいと、そうでないばあいの差が非常に大きい集団といえるでしょう。そして、よい意味においても、悪い意味においても、子どもはその全面的な影響のもとに成長するのです。
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 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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