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知能の発達・児童期と直感像



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 児童期と直感像

@ 前に見た物の情景を、今、目の前に見ているのと同様にはっきり思い出せるのが直感像である。つまり、ただ思いだすのではなくて、それが見えるように感ずるもので、知覚と記憶の中間の現象といわれる。

A
 成人で直感像を持つのは、芸術家など特殊な素質の人にかぎられるが、児童では直感像を持つものがひじょうに多いとされる。

B 調査によっていろいろだが、児童の3分の1〜4分の1くらいが直感像を持ち、ことに児童後期にもっとも増加する。しかし、青年期以後になるとずっと減少する。

C 直感像を持つ子どもでは、絵や作文に特徴を発揮して、生き生きした表現をするといわれる。

 注意力が発達する

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 幼児では、自分が興味を感じたことは夢中でやるが、そうでないことに注意させておくことは難しい。

A 児童期に入るころには、なにかある一つの仕事をするという課題意識もはっきりし、努力してそれに注意を向けておくこともできるようになる。

B 注意力の持続できる時間は、低学年ではごく短いが、高学年になると、急速に長くなる。学習時間を決めるにはこのことを考慮する必要がある。

 自己中心的思考から客観的思考へ

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 幼児の思考の特徴は、自己中心性といわれる。これは、幼児自身の主観と外部の客観とが分化していない状態、いわば自分の主観以外のものの存在をじゅうぶん認識していない状態をさしている。
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A この自己中心性は幼児の思考にいろいろな形であらわれ、感情的、願望的な考え方をし、次の述べるような論理的でない考え方を生ずることになる。

B 幼児は、その経験におけるものごとの偶然的な結びつきを、必然的な因果関係と受け取ることが多い。

C このような傾向から、幼児にはおまじないのような考え方がみられる。

D また、人間以外のいろいろのものにも、みんな心があると考える“アニミズム”の傾向や、太陽や月のような自然界のものも、すべて人間によってつくられたと考える“人工論”の傾向が根強く存在している。

E 幼児にはまた、相対的関係の理解がひじょうにむずかしい。たとえば自分の左右は分かっても、向かいあっている人の左右は分からない。また、自分のお父さんは、他の子どもにとっておじさんだということが分からない。

F 幼児には、自分の立場以外の立場があることが理解しにくいので、立場によって関係が相対的に変わるということの理解ができない。

G 論理的矛盾や相対的関係が分からないので、個々のものごとは分かっても、それらを関係づけ、総合的、組織的にまとめて理解することができない。

H おとなが考えれば、全く矛盾したような理屈を述べても平気である。

I 以上に述べたような幼児期の特徴とみなされる思考は、たしかに幼児期にいちじるしいが、しかし、それは児童期に入ると急に消えるというものではなく、むしろ児童期を通じてだんだん解消していく。

J その意味で児童期は、自己中心的思考から成人の客観的・論理的思考への移り変わりの時期であり、すでに述べた自己中心性の特徴は、児童期にもいろいろな形であらわれてくる。

K そして自然現象や社会生活の中で、自己中心的思考の矛盾を経験することによって、このような自己中心性からしだいに脱皮していくのである。

知能の発達・児童期
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