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幼児期の興味

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● ことばを話すようになると新しい段階を迎える


 子どもがことばを話すようになると、興味の発達はまた新しい段階を迎えます。「興味をうながす」のページで紹介した、ジョン・ロックは、子どもの知識欲を助長し、旺盛にしておく方法として、つぎのようなことも言っています。

 「子どもをやさしく、一目置いて扱い、子どもの質問には、いつでもまじめに、子どもの満足のいくように答えてやりなさい。人間はゆりかごにいる時代から“うぬぼれ”の強い高慢な生物なので、子どもの理解力をほめたたえてあげて、彼らの自尊心を満足させてやりなさい」

 子どもたちの「これなに」、「どうして」、「なぜ」という疑問を大切にすることだ、というのです。

 ただ、子どもたちの好奇心を伸ばしていくためには、子どもの質問に真面目に答えるということのほかに、注意しなければならないことがあります。

● 親のことばづかいにも注意する

 まず、ふだんの親のことばづかいに注意しなければなりません。

 たとえば、夕方になって近所の家へ遊びに出かけようとする子どもを止めるには、こんな言い方があります。「もう外に出ちゃダメよ」 「どうして」 「お母さんがダメって言っているでしょ。ダメというときはダメなの」

 また、こんな言い方もあります。「もうすぐ御飯よ。それに、よその家もお父さんが帰ってらっしゃるでしょ。そうするとご飯でしょ。ご飯のとき○○ちゃんが遊んでいたら困るんじゃないの」
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 はじめの言い方は、“外に出るな。命令だ” といっているだけで、問答無用というやり方です。
 
 あとの言い方は、“外に出るな” というよりは “外に出てはいけない” 理由を説明するというやり方です。それも○○ちゃんがよその家に行くと、そこでどんなことがおこるか、他人の立場に立って、その状況を考えさせる、というやり方なのです。

 どちらにしても、しつけの上の問題で、興味や好奇心とは直接関係がないように思われますが、けっしてそうではありません。

 ”やってはいけないと言ったらいけないのだ。子どものくせに、女の子のくせにそういうことはしてはいけない” というような言い方でしつけようとすると、子どもは、物を考えようとはしなくなってしまうのです。

 子どもにとっては、しつけと勉強をはっきり区別することはできません。

 自然現象について「なぜ」と考える子どもにしたかったら、しつけについても、まず親のほうから、なぜそうしなくてはならないかを説明するようにして、ものごとには”理屈”があるのだ、という信念をしっかりと植え付けてください。

● 親が手本をしめす

 親が手本をしめすことも大切です。親自身が新しいことを発見して驚くこともなければ、疑問があっても、自分で調べようとしない、いろいろのものをいじったりしないなど、子どもにとって手本とならないようなことばかりしているのに、「うちの子は…」とこぼしても、それは無理というものです。

 家の中が電化され、スイッチ一つで何でもすんでしまうような便利な時代になればなるほど、とくにこのような注意が大切です。

 たとえば、家族で旅行に行く場合、子どもの前で地図を広げてプランを立てる、時間表を調べる、といったことが子どもの興味を育てるのです。

 旅行の計画は旅行案内所まかせ、というような万事他人まかせの生活では、子どもはそれを見習ってしまい、子どもの知的興味が育つ機会が失われてしまいます。

● 親がなにか興味を持つことも大切


 親が何の興味も持っていないのに、子どもの教育を考えて、図鑑や美術全集、CD類を買いそろえても効果が上がらないことが多いようです。

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● 考える癖をつける

 子どもがことばを話すようになると、ことばに頼り過ぎるようになる、ということも注意しておかなければなりません。

 よく、「カエルにおへそがないのはなぜでしょう」などという問題と、それに対する解答を並べたような本があります。そのような本も悪いとは決して言えないのですが、下手をすると、問題と答えとの丸暗記になってしまう心配があります。やはり自分で考える癖を身につけさせなければなりません。

 考えるといっても、「よく考えなさい」というのは下手なやり方です。子どもがものを考えることに楽しみを感じるのは、つぎのようなばあいです。

@ ものごとには規則があって、一つ一つ観察しなくても考えさえすれば自然にわかるのだ、という感じをいだくとき。
 
A そのようにして信じていた規則が例外にぶつかったために、「おや」と思うとき。

 たとえば、トンボやチョウの足の数は6本と決まっています。このような“決まり”に気づくと、その決まりがカブトムシやバッタにあてはまるかどうか調べてみる気になります。世の中には“決まり”があるのだという信念を持たせることは、幼児の科学教育としてもっとも大切なことです。

● “決まり”に矛盾や例外があることを知る


 こうして、自然界のいろいろの“決まり”を知ることは、子どもの興味をかきたてるうえに大切なことです。

 しかし、虫の足は6本と決まっているのだということがあまり続くと、今度は、なにもかも当たり前ということになって、また興味がなくなってきてしまいます。そのようなときには、また新たな興味がわいてくるのは、ちょっとした矛盾や例外にぶつかるときです。

 虫の足がみんな6本と信じていたところに、クモの足は6本ではなく8本あるという事実にぶつかると、新しい興味が子どもの心にわいてきます。

 このように、例外にぶつかって興味がわいてくるというようになるためには、まず自然界の“決まり”に気づいていなくてはなりません。

● 幼児も気がつく自然界の“決まり”

 幼児にも気づくことのできる自然界の“決まり”としてはいろいろあります。

 花びらの数、葉のつき方など、植物の世界にもありますし、おとながヒントを与えてやれば、からだの毛が生えている動物は赤ちゃんを生むというようなことも、3,4歳で理解できます。
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 こういう“決まり”が知識のなかに取り入れられると、それまで絵本で見て、豚には毛が生えていないと信じていた子どもは「そんなこと言ったって、豚には毛がないのに、赤ちゃんを生むよ」という疑問を持つようになります。こんな時こそ動物園でいろいろな動物を観察させる絶好のチャンスなのです。

 幼児のばあいには、自然界の規則に気がついても、いつでもことばで説明できるとは限りません。からだで感じていることが多いものです。

 むしろ、からだでいろいろなことを感じていることが、小学校や中学校に進んだときになって生きてくるのです。
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 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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