肝臓の病気
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肝臓の組織障害と機能障害
肝臓の機能
肝臓は、各種の体内代謝産物を化学的に処理する器官である。それはさながら、終日終夜操業を続ける、総合化学工場の観がある。
余力と再生能力
重要な機能を持つだけに、この工場の能力には相当の余裕があり、たとえ3分の2を切除してもその働きに支障はない。さらに注目すべきは、いちど障害された肝細胞が、容易に再生されるという事実である。
組織の障害と機能の障害
肝臓を損ねるような原因が加わると、肝臓の組織に障害が生じる。しかし、機能の低下がおこるかどうかは、障害の程度が肝臓の余裕の限界を超えるものかどうかで決まる。
つまり、「肝障害」といってもそれを組織障害と考えるか機能障害と見るかで、その実態にはかなりの幅の開きが出てくることになる。
- 肝炎・肝硬変など、肝臓に広範囲の病変を生ずると、組織像(形態)にも、機能面にも明らかな障害が出現する。
- しかし、肝炎では回復期に入ると機能は容易に正常に戻るが、組織面にはなお多くの障害が残る。
- また、肝硬変でも、治療の効果が上がれば機能は正常に戻るが、形態の異常は正常化しない。
このように、組織の障害と機能の障害との間には、しばしばギャップが生ずることとなる。