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幼児の発達

幼児と絵本



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 絵本の役割

● 絵本はおもちゃである

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 幼児の絵本は、読んで知識を得るという、いわゆる「本」ではなく、むしろおもちゃの一種と考えたほうがよい。
A 知識を詰め込むという態度ではなく幼児期の遊びの一つとして、気軽な気持ちで与えたい。

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 3歳児前後までの幼児にとっては、絵本は手で触ったり、ページをめくったり、立てたりする遊び道具としての意味が強い。
C 年齢がすすんでくると、絵本で見たことをきっかけに、バラバラだった幼児の経験が整理されて、理解を深めるという役割が加わってくる。

D 絵を見ることによって知識が広がるため、遊びはますます活発になる。遊びのしかたも、広がっていく。
E 絵本は幼児が一人で見て楽しむというより、親といっしょに見る機会が多い。そのため、親子の結びつきを親密にする役割もある。

● 絵本の好き嫌い

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 幼児にも、好きな絵本と嫌いな絵本がある。どんな絵本を与えてもよいというものではない。
A 2〜3歳の場合は、絵の題材として、自分の好きなものが書かれてさえあれば満足する。そのばあい、絵の描き方、上手下手は、好き嫌いを決める条件にはならない。

B 4歳以上になると、反対に絵の題材で、好き嫌いが決まることは少なくなり、むしろ、絵の描き方を問題にするようになる。
C 「たくさん書いてあるから」「きれいに書いてあるから」といった理由で特定の本を好む傾向が出てくる。
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● 絵本の理解のしかた

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 2〜3歳の場合は、かかれている絵全体をつかんで、そのテーマを理解するのは無理である。
A この時期では、見開き2ページ分の絵というよりは、その絵の中の、かぎられた一部分にしか関心が向かない。

B 4歳以上になると、思考力の発達にともない、絵全体をつかめるようになり、絵のテーマもよく理解できるようになる。
C 絵本の場合は、描かれた絵の構図によっても理解のされ方が違ってくる。見開き2ページの中に、小さな絵がばらばらに配置されているような絵柄のものは、理解されにくい。

D 中心になるポイントがあり、全体が一つのまとめりとして描かれている絵は、テーマが理解されやすい。

● 題材は身近なものから

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 幼児の身近にあるものや、日常生活でよく見られるものを題材とした絵は、内容が正しく理解される。それをきっかけにして、遊びや発言が活発に広がっていく。

A 年少幼児の場合は、自分の経験範囲から離れた、未知のものが題材になっている絵からは、新しい知識を獲得することは不可能に近い。

B 4歳以上になると、生活経験の幅も広がり、創造力もつくため、経験の上では未知の題材であっても、かなり理解できるようになる。

● 文章よりも絵が中心

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 絵本の文章の効果は、絵の構成と密接な関係がある。
A 文章なしでも内容が理解されやすい絵の場合は、文をよんでやると、いっそう理解がすすめられる。
B 絵として理解されにくいものが書いてあるときには、文章を読んでやっても理解を助けることにはならない。

● 子どもに適した本を

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 幼児にも、素質や環境によって、かなり個人差がある。子どもの発育の状態によって、それに適した絵本を与えることが大切である。

A あたえた絵本に興味をしめさなかったときは、発達段階にあっていない証拠であり、絵本を取り替える必要がある。無理に与えても効果はない。

● 絵本は楽しんでみる

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 絵本にはたくさんの種類がある。幼児の絵本だからといって、無選択に与えてはならない。
A よい絵本を選び、それに親しませることは、小学校へ入学してからの読書ににもつながる問題である。絵本を見る習慣のついている子は、抵抗なく、その後の読書生活へ入りやすい。

B 幼児期には絵本を楽しんでみることが、いちばん大切である。そのためには、母親がいっしょに見ながら、やさしく話しかけてやることが必要となる。
C 1日20〜30分くらいは絵本を見る時間を持ちたい。

D 絵本を中心にして子どもと話し合うと、幼児の心は落ち着くし、知識や創造力を伸ばすもとになる。絵本で見たことをきっかけに、幼児といっしょに遊ぶ時間が持てれば理想的である。


 



 
 親の責任は子どもを”大過なく守る”ということではなくそのエネルギーを”最大限に発揮させる“ということであろうと思います。ここでは妊娠中から就学前まで子どもの発育のなりゆきを扱っています。この時期の子育てを終えてだいぶ経ちますが、むかしの子育てが現代の子育てに役立てばと思い、むかしの経験のまま記しています。参考になるものがありましたら応用して実践してみてください。

 



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